業務ブログ

中古住宅の売買(着金待ち時間の過ごし方)

 某金融機関にて行われた中古一戸建て住宅(千歳市所在)の売買に立会いました(「不動産決済」と呼ばれます)。

 不動産を売ったり買ったりすることは、一般の方にとっては一生のうちにそう何度もあることではないと思いますが、不動産の売買に立ち会うことは、我々司法書士にとってはよくある日常的な仕事になります。

 司法書士の役回りとしては、売主・買主の本人確認をした上で、所有権移転登記(売主から買主への名義変更)に必要な書類が揃っているかどうかを確認し、書類の不備がなく確実に登記申請できると判断できたなら、金融機関が行う融資の実行にGOサインを出す、というものです

(不動産の売買には、通常高額のお金が動きます。仮に所有権移転登記ができない(買主への名義変更ができない)のにもかかわらず、融資が実行され売主に売買代金が支払われてしまったら……、どうなるんでしょう、恐ろしい……。そのような不測の事態が起こらないようにするために、不動産の売買には登記の専門家である司法書士が立ち会います)

 そして、融資の実行に移った後は、金融機関の手続が終わるのを待ち(融資金額が買主の口座に振り込まれ、そのうち売買代金が売主の口座に送金され…等、手続に時間がかかります)、金融機関の手続が終わり次第、不動産決済が終了ということになります。

 この金融機関の手続が終わるのを待っている時間というのがなかなかやっかいで、早ければ15分ほどで終わることもあるのですが、長いと1時間以上待たされることもあります。

 この間、会話でもしていればいいのですが、金融機関の一室で面識もなかった人達(不動産決済の主な登場人物は、売主・買主・売主側の仲介業者・買主側の仲介業者・司法書士です)が集まっても、会話は普通そう長くは続かず、いずれ会話は途切れます…。

 無言のまま時が過ぎるのをただ待つというのでもいいのかもしれませんが、せっかくなら皆さんにいい気分で帰ってもらいたいという私の妙なプロ意識が発動され(笑)、ここからが腕の見せ所(?)と言わんばかりに、私は会話の糸口を探し出します。

(私は書類のチェックをすることだけが司法書士の仕事なのではなく、決済の雰囲気づくりをすることも司法書士の重要な仕事だと思っています)

 まず私が必ず話するのが買主に新たに発行される登記識別情報(従来俗に「権利証」と呼ばれていた書類に代わるもの)についてです。いつも登記識別情報のサンプルだけを使って説明するのですが、今回は売主から預かったのが従来の権利証であったので、それを対比として示し、法改正があり制度が変わったこと、世の中のコンピューター化の流れと一緒であること 等々、ウンチクも絡め説明すると、皆さんもフムフムと納得され話を聞かれていました。

 また、私が久しぶりに来た千歳に対する印象(千歳の市街地がやたらと工事中で通行できないところが多い、市役所が新しくなったのはいいが駐車スペースが少なく停めるところに困った 等)を話すと、売主・買主ともに千歳の方のためその話に乗っかってきてくれ、千歳の近況についての話にも拡がり、会話も弾みました。

 その後も、売主が不動産のことを話してくれたりしたため(子どもが独立したため夫婦だけで住むには広すぎるため今回売ることにした、雪を捨てる場所が遠いため雪かきがそれなりに大変、蛇口から水素水が出る設備をそのままにしてあるので今後もぜひ使ってほしい 等)、待っている間、終始なごやかな雰囲気で時間が過ぎ、結局45分ほど経ったところで、金融機関の手続が終了しました。

 不動産決済のいいところは、当事者全員がこの不動産売買を成功させたいという同じ方向を向いている点で(当事者が対立している裁判業務とは全く異なります)、決済が終わった際には、よく感謝の言葉もいただきます(報酬までいただき感謝するのはこちらの方なのですが)。

 今回も当事者の皆さんがそれぞれに対し「ありがとうございました」と声を掛け合い、笑顔でお別れすることになりました。

 「いい仕事したなぁ(何に対してか謎ですが 笑)」とか、「司法書士って仕事も悪くないなぁ」とか、勝手に感慨にふけるのですが、当日中に登記申請(今回はオンライン申請というのをします)をしなければならないため、必死こいて事務所に戻るのでした…。