業務ブログ

不在者財産管理人選任申立~行方不明者のいる相続登記

相続登記の依頼

 当事務所のホームページを見たという札幌市北区のG様(50代男性)から、「2年前に亡くなった父の名義のままになっている実家の相続登記をお願いしたい」とご連絡をいただきました。
 相続登記をするには、その前提として相続人全員での遺産分割協議が必要になります。相続人は、母・兄・G様の3人ですが、「兄とは長年連絡が取れなくて…」と、相続人全員での遺産分割協議ができずに困っているということでした。

音信不通の兄

 現在50代になるお兄様は、元々実家を出たり実家に戻ったりということを繰り返していたそうです。ただ、5年ほど前に実家を出て行ってからは全く連絡が取れなくなったということです。どこに住んでいるのかわからず、連絡手段もないため、お父様の葬式に来ることもなかったそうです。また、今まで音信不通になることも多かったため、特に警察に捜索願を出したこともないということでした。

不在者財産管理人とは

 相続人の中に『不在者』(法律上の定義はありますが、簡単に言うと音信不通や行方不明の人)がいると遺産分割協議ができません。そのような場合には、不在者財産管理人制度を利用することで遺産分割協議が可能となります。家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、その不在者財産管理人が不在者の法定代理人として遺産分割協議を行うというものです。

住所調査・手紙郵送

 ただ、容易に連絡が取れる場合には、そもそも『不在者』とはいえません。
 お兄様と連絡が取れる可能性もあるため、まずは司法書士の職務権限でお兄様の戸籍の附票を取得し、お兄様の住民票上の住所を調べることにしました。すると、お兄様は道内のX市に住所があることがわかりました。
 もし手紙が届くと、お兄様が『不在者』であるとは言い難いため、その住所に手紙を送ってみることにしました。ですが、「あて所に尋ねあたりません」と押印され、手紙は戻って来てしまいました(ちなみに、この届かなかった手紙は、お兄様が『不在者』であることの証拠の一つになり、不在者財産管理人選任申立ての添付書類になります)。

不在者財産管理人選任申立て

 結局、お兄様の行方はわからず連絡の取りようもないため、G様にあらためて不在者財産管理人制度についての説明をしたうえ、不在者財産管理人選任の申立てをすることになりました。
 当事務所で申立てに必要となる書類(戸籍謄本、登記簿謄本等)を収集し、申立書や財産目録を作成しました。また、G様の希望で不在者財産管理人の候補者として司法書士の西野を記載することにしました。
 完成した申立書に申立人であるG様に押印していただき、申立書類一式をお兄様の住所地を管轄する家庭裁判所に郵送しました。

不在者財産管理人に選任

 その後、家庭裁判所から、不在者財産管理人候補者の私には電話連絡があり、申立人ではないお母様には照会書が届きました。
 そして、申立てから約1か月後、家庭裁判所から選任審判書が届き、無事に私がお兄様の不在者財産管理人に選任されました。

次回予告

 不在者財産管理人選任申立ての業務はこれで終わりになりますが、今後は私がお兄様の不在者財産管理人としてお母様とG様とで遺産分割協議を行っていくことになります。不在者財産管理人としての業務はまだまだ続きがあります。
 業務ブログの続きもありますので、次回は「帰来時弁済型遺産分割協議書とは何ぞや⁉」となる予定です。乞うご期待!(誰も期待してないと思いますが… 笑)

困難な相続案件の無料相談

 当事務所では、不在者財産管理人の選任はもちろん、家庭裁判所に対する各種申立てについての無料相談を随時実施しています。
 困難な相続案件(そもそも相続人が誰だかわからない、相続人と音信不通・疎遠・関係性が悪い、相続人が行方不明、海外に相続人がいる 等)も、ぜひご相談ください。それぞれにつき解決実績があります。
 また、当事務所では札幌市全域・札幌近郊への無料出張相談も行っています。無料出張相談の理由 >
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