遺産分割調停後の相続登記

最終更新日:2025.08.27
相続登記のご相談
当事務所のホームページの問い合わせフォームより、札幌市西区のY様(50代・女性)から相続登記のご相談をいただきました。メールで簡単に状況を確認したところ、すでに遺産分割調停が終わっており、その調停内容に基づいて お父様所有の札幌近郊の土地1筆の相続登記を進めたいとのことでした。
突然の遺産分割調停
後日Y様にご来所いただき、詳しいお話を伺いました。
Y様のお父様は昨年お亡くなりになり、相続人はお母様・お姉様・Y様の3人です。お母様とお姉様は同居されているとのことでした。
当初は3人で遺産分割について話し合いをしていたものの、なかなか意見がまとまらず、半年ほど経ったある日、突然 お母様とお姉様から家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てられたのだそうです。
「まさか母と姉にこんなことをされるなんて、もうただただ驚きました」
「まったく考えてもいなかったので、ショックでしばらく何も手につきませんでした…」
遺産分割調停とは?
遺産分割調停とは、相続人同士での話し合い(遺産分割協議)がまとまらない場合に、家庭裁判所に申し立てを行い、裁判官と調停委員を介して話し合いを進める手続きです。
調停の場では、相続人それぞれの意見を整理し、公平な解決を目指して話し合いが進められます。相続人だけで行う遺産分割協議とは異なり、第三者が間に入るため、感情的な対立を避けながら合意点を探っていけるのが特徴です。
最終的に合意に至った場合は、「調停調書」 という文書が家庭裁判所で作成されます。これは確定判決と同一の効力を持ち、後に行う相続登記でも登記原因証明情報として使用できます。
つまり、遺産分割調停は相続人間での話し合いが難しいときに、家庭裁判所が中立的な立場から関与してくれる制度なのです。
遺産分割調停の様子
調停では、お母様とお姉様には弁護士が付いていた一方で、Y様は弁護士を付けずに一人で臨まれたそうです。
そのときの様子を語られるY様は、目にうっすらと涙を浮かべておられ、「本当に心細かったです。どうして自分だけが相手方になってしまったのか…」と話されていました。その姿からも、とてもご苦労の多い時間だったのだと感じられました。
遺産分割調停の結果
最終的には、以下の内容等で調停が成立しました。
- お父様所有の不動産のうち、札幌近郊の土地1筆をY様が取得する
- お母様がその他の不動産を取得する代償として、Y様に代償金を支払う
Y様のお話からは、調停が終わった際には安堵感があったものの、やはりご家族と争うような形になってしまったことへの複雑な思いもあったようです。
遺産分割調停後の相続登記のメリット
Y様のお話からも、遺産分割調停の心労が大きかったことが伝わってきました。しかし一方で、その後の相続登記の手続きは、ご褒美というわけではありませんが、非常にシンプルになります。
通常の相続登記では、戸籍謄本、相続関係説明図、遺産分割協議書など、多くの書類が必要になります。
ところが遺産分割調停が成立している場合には、調停の過程で戸籍謄本がすでに提出され、内容も確認されていますし、さらに家庭裁判所が作成する調停調書が登記の根拠となるため、遺産分割協議書を改めて作成する必要もありません。
つまり、遺産分割調停後の相続登記には、以下のようなメリットがあります。
- 必要書類が大幅に減る
- 当事務所での書類作成作業も少なくなる
- その分、当事務所の報酬も抑えられる
当事務所の最低報酬
Y様は、他の事務所の料金とも比較検討されたうえで、最終的に当事務所にご依頼くださったそうです。
実際、土地1筆で戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成が不要な場合には、当事務所の最低報酬額で相続登記が可能です。
当事務所がパック料金を導入しない理由
当事務所では、お客様の個別具体的な事情を無視した一律的な「パック料金」は導入していません。
相続登記と一口にいっても、必要となる書類や作業量はお客様ごとに大きく異なります。そのため、ケースごとに必要な作業を丁寧に精査し、余計な費用はいただかない ― それが当事務所の基本方針です。「お客様の立場に立ち、適正な費用で」 という思いを大切にしています。
Y様のお話によると、他の司法書士事務所の中には「パック料金」で安さをアピールしているところもあるようです。
しかし、同業の立場からすると、「本当にパック料金で安くなるのか」は吟味が必要であり、内容によっては少し疑問を感じる部分もあります。
パック料金の落とし穴
一見するとわかりやすく、お得に感じられるパック料金ですが、実際には以下のような落とし穴があり得ます。
- 必要のないサービスまで含まれており、結果的に割高になる
- 追加費用が発生し、当初の料金より高額になるケースがある
- 個別の事情が考慮されず、かえって柔軟性に欠ける
そのため、パック料金だから「必ず安い」というわけではないと考えます。
大切なのは、ご自身のケースに合わせて本当に必要な作業だけに費用をかけることだと思います。
当事務所の料金の考え方 ― 透明性と納得感
当事務所では、相続登記の料金の計算方法をホームページで詳細に公開しています。
ここまで明確に公開している司法書士事務所は、全国的に見てもほぼないと思います。ご依頼時の面談においても、「なぜその金額になるのか」を丁寧にご説明しています。
お客様に事前に内容を理解していただき、納得したうえでご依頼いただけるよう、当事務所では透明性のある料金体系を心がけています。
実際にY様に改めて料金のご説明をした際には、「本当に安いんですね」と驚かれると同時に、大変喜んでいただきました。
当事務所としても、信頼してお任せいただけたことを何よりの喜びと感じております。
遺産分割調停後の相続登記は迅速に完了
今回の相続登記でY様に署名押印していただいた書類は、司法書士への委任状のみでした。
遺産分割調停後の相続登記に必要な書類は、ほかに調停調書やY様の住民票くらいですので、Y様にはほとんどご負担をかけることなく法務局への相続登記の申請が可能となりました。そして、申請から1週間もかからずに相続登記が完了しました。
遺産分割調停後の相続登記は、通常の相続登記よりも、大幅にシンプルかつスピーディーな流れとなります。
Y様にとって調停は大変つらいご経験だったと思いますが、その後の相続登記が迅速に完了したことで、少しでも安心いただけたのなら嬉しく思います。
札幌で相続登記を費用を抑えて、早く行いたい方へ
遺産分割調停は、多くの方にとって大変な経験となります。しかし、調停が成立していれば、その後の相続登記は思いのほかシンプルです。
当事務所であれば、費用を抑えつつ、スピード感をもって相続登記を完了させることが可能です。お客様それぞれの状況に合わせて無駄のない登記手続きをご提案し、低額での相続登記を実現します。
「遺産分割調停後の相続登記を安心して任せたい」「できるだけ費用を抑えたい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
相続登記・相続手続きの無料相談
当事務所では、遺産分割調停後の相続登記のほか、一般的な相続登記や相続手続、相続対策、各種登記についての無料相談を随時実施しています。
また、当事務所ではお忙しい方や外出が難しい方のために札幌市全域・札幌近郊への無料出張相談も行っています。無料出張相談の理由 >
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