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自筆証書遺言を入院前に作成

最終更新日:2024.02.06

急きょの訪問

 当事務所のホームページを見たという札幌市厚別区のT様(70代の女性)のご自宅に遺言の相談で伺いました。前日にお電話をいただいたのですが、急いでいるとのことで急きょ訪問することになりました。
 長女様も同席され、「週明けに入院し、膵臓の手術を受けることになっているが、万が一のために遺言を残しておきたい」とのことでした。最近亡くなられたある女優さんの死因が膵臓がんだったそうで、「自分ももう帰って来れないかもしれない」と話されていました(ただ、長女様によると、そこまで心配するような手術ではないとのことです)。
 普段の遺言の相談では公正証書遺言を勧めることが多いのですが、T様が翌週に入院し公正証書遺言を作成するほどの時間の余裕がないため、まずは入院前に自筆証書遺言を作成し、退院後に公正証書遺言を作成するということになりました。
 そして、遺言の内容としては、自宅マンションと預貯金を含む全ての財産を、二人いる娘のうちの長女に相続させたい。次女の遺留分(一定の相続人に対して保証されている最低限の相続分)を侵害するが、それでも構わない。一旦全ての財産を長女に相続させ、その後どれくらい次女に分配するかの判断自体も長女に任せたいとのことでした。

民法改正を利用

 自筆証書遺言の場合、以前は遺言の全文を自分で手書きしなければならなかったのですが、民法の改正(平成31年1月13日施行)で、財産目録については、パソコンで作成したものや、登記事項証明書や預金通帳をコピーしたものでよいということになりました。私が民法改正後に自筆証書遺言のサポートをさせていただくのは初めてでしたので、せっかく(?)なのでその法改正を利用することにしました。そして、財産目録はパソコンで作るよりもコピーした方が楽だと思い、登記事項証明書や通帳をコピーして使うことにしました。ただ、T様宅にはコピー機がないため、遺言の作成当日に私が家庭用のコピー機を持参することにしました。
 そして、遺言の作成日は2日後とし、時間はあまりありませんがその日までに、私が自筆証書遺言作成の段取りをつけることになりました。

自筆証書遺言作成日

 2日後に再びT様宅を訪問しました。この日、長女様は同席されませんでした。T様に遺言の内容を再確認したところ、「お姉ちゃん(長女)は優しくて毎日のように電話くれるけど、あの子(次女)は冷たい。あの子には捨てられたのよ」と話され、長女様に全財産を相続させるというT様の意思を最終確認することができました。
 先日訪問した際には、財産目録をコピーで済ませようと思っていたのですが、いざコピーしようとすると枚数が10枚ほどとかなり増えることに気づき、また、登記事項証明書がページいっぱい字で埋まっており、コピーしたとしてもどこに署名・押印していいのか謎(裏面でもいいらしいのですが…)とコピーするのも案外面倒だと感じたので、ノートパソコンも持参していたことから、急きょ財産目録をワードで作成することにし、遺言は遺言の本文と財産目録の計2枚で収めることにしました。

まさかのダメ出し

 横書きの文章で遺言の見本をを用意していたのですが、「私、縦書きじゃないと書けないの」と、T様から思いもよらぬまさかのダメ出しをくらってしまいました(笑)。ノートパソコで横書きのワードを縦書きに変換できればその場ですぐに対応できるのですが、その方法すらわからず(情けない…)、いい方法が思いつかなかったので、令和の時代に実にアナログな方法ですが、その場で私が縦書きの見本を手書きで作成することにしました(こんなに真剣に字を書いたのは何年ぶりでしょうか…)。
 そして、その見本をもとにT様が書き写すことで本文ができあがり、本文と財産目録の計2枚の書面にT様が署名・押印することで、無事に遺言の完成となりました。
 その後は、T様と世間話をし、たくさんのお話を伺いました(半年前に亡くなられた旦那様のこと、二人の娘様のこと、ご近所さんのこと、手術のこと等々)。私も旦那様の仏壇に手を合わせ、時間ほど在宅した後、T様宅を後にしました。
 T様が無事に手術を終えられ、元気に自宅に戻られることを祈念しております。

自筆証書遺言の無料相談

 司法書士業務を行っていると、法の要求する要件を満たしていなかったり、内容が不明確であるため、無効になってしまう自筆証書遺言を本当に本当によく目にします。遺言が無効であるため、その後の手続きで苦労されるご家族の方をたくさん見てきました。ご家族のことを思うのであれば、有効な遺言の方がいいに決まっています。
 もしご自身だけで遺言を書くことに不安があるようでしたら、ぜひ当事務所までご相談ください。決して無効な遺言にならないよう、丁寧にサポートいたします。
 当事務所では、事務所での無料相談だけではなく、出張相談も無料にて対応しています。ご納得いただくまで、何度でも伺います。無料出張相談の理由 >
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