相続登記の抹消と再度の相続登記
相続登記やり直しの相談
当事務所のホームページを見たという札幌市厚別区のD様(30代男性)から、「すでに行った相続登記をやり直したい」と電話でご連絡をいただきました。状況を簡単に伺った後、後日当事務所で詳しくお話を伺うことになりました。
- 2年前にお父様が亡くなった。
- 相続人は、D様と妹様の計2人。
- 札幌近郊にあるお父様所有の実家には妹様が住んでいる。
- その実家は長男であるD様が相続することになった。
- 相続登記は司法書士に頼ることなく、自分たちですでに行った。
相続登記後に不都合が…
事務所に来ていただいたD様から、以下のようなお話を伺いました。
「実家は長男である私(D様)が相続するのが自然だと思いました。妹も納得していました」
「法務局に何度も通うことになりましたが、相続登記は自分たちでなんとかすることができました」
「相続登記が終わった翌年に私宛に固定資産税の納税通知書が届きました。ですが、実家に住んでいない私が固定資産税を支払うことに違和感を覚え、私が実家を相続したことについて疑問を感じるようになりました」
「私は現在札幌市内での持ち家の購入を検討しています。私も妻も職場が札幌にあるため、今後も実家に戻ることは想定できません」
「妹は今年結婚する予定です。今後は夫婦で実家に住み続けたいと言っており、私としてもそうしてほしいと思っています」
相続登記やり直しを決断
そして、D様は妹様が実家を相続するように相続登記をやり直した方が良いと考えるようになり、その場合の税金等の問題点について、ご自身でも色々調べたそうです。税務署や税理士にも相談したうえ、結局実家は妹様が相続するよう相続登記をやり直した方が良いという結論に至ったということです。
「相続登記をやり直す手続きは、さすがに自分たちではできなくて…」と、当事務所に連絡をくれたということでした。
登記手続きの流れ
相続登記をやり直す場合、登記手続きの流れとしては、まず①現在すでに行われている相続登記(お父様からD様への所有権移転登記)を抹消し、次に②再び相続登記(お父様から妹様への所有権移転登記)を行うということになります。
①相続登記の抹消
相続登記とは、相続を原因とする所有権移転登記のことです。D様の例でいうと、亡くなられたお父様からD様への所有権移転登記が済んでいることになります。
登記手続きの第一段階としては、まずこのD様への所有権移転登記を抹消します。すると、抹消した時点で登記上お父様が所有者である状態が復活します。
②再度の相続登記
そして第二段階として、このお父様が所有者である状態で、改めて相続登記(亡くなられたお父様から妹様への所有権移転登記)を行います。そうすると、晴れて妹様が実家の所有者であるということになります。
何だかわかるような、わからないような説明で申し訳ございませんが…。
余計な費用負担
登記の必要書類としては、合意解除証書(一度行った遺産分割協議書をやり直すという内容)と新たな遺産分割協議書(実家は妹様が相続するという内容)が必要になります。最初の相続登記で使用した戸籍謄本はそのまま使えますので、相続登記をやり直しても手続きにはさほど時間はかかりません。
ですが、相続登記をやり直した場合、通常の相続登記ではかからない贈与税や不動産取得税の負担が予想されます。そのことはD様も重々承知で、「高い授業料になりますが、仕方ないです」と話されていました。
相続登記は司法書士にご相談を
登記完了後、D様からあらためて「最初から先生にお任せしておけば良かったです。この度はありがとうございました」とご丁寧にお電話をいただきました。
相続登記を一般の方がご自身で行うことも不可能ではないと思います。ただ、相続登記の適否(相続人のうち誰が相続すべきか等)まで一般の方が判断するのは難しいと思います。ご自身の判断だけでは、D様のように後日面倒な事態にもなりかねません。
司法書士に支払う報酬を気にするのは当然だと思いますが、当事務所に依頼される方の中には、司法書士に支払う報酬を「必要経費だ」と言ってくださる方もいます。後日余計な費用を支払うくらいなら、事前に登記の専門家である司法書士に相談してみるのも悪くはないと思います。
相続登記の無料相談
当事務所では、相続登記を含む相続手続や相続対策、各種登記についての無料相談を随時実施しています。
相続人が誰だかわからない、相続人と音信不通・疎遠・関係性が悪い、相続人が行方不明 等の場合にも、ぜひご相談ください。それぞれにつき解決実績があります。
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