母・姉の相続放棄
最終更新日:2024.02.09
相続放棄の相談
当事務所のホームページを見たという札幌市豊平区のF様(60代 女性)から、「弟の相続を放棄したい」とご連絡をいただき、F様宅に訪問しました。そして、F様から以下のようなお話を伺いました。
- 東京に住んでいた弟が半年前に亡くなった
- 弟は離婚しており、子ども(F様の甥姪)が2人いる
- 弟には借金があり、カード会社から子ども宛てに請求書が届いた
- 2人の子どもはすでに相続放棄している
- 子どもから「おばあちゃん(F様のお母様)もおばさん(F様)も相続放棄した方が良い」と連絡があった
相続人の順位
私からは、以下のような話をさせていただきました。
- 第一順位の子ども2人が相続放棄したので、現在の相続人は第二順位のお母様である
- 何もしないとお母様が借金を相続するので、相続放棄をするのは得策だ
- お母様が相続放棄すると、第三順位のF様が相続人になるので、F様も相続放棄した方がよい
- お母様とF様の相続放棄は同時にはできないので、まずはお母様が相続放棄の申述をし、その申述が受理された後に、F様が相続放棄の申述をする
そして、F様から正式に相続放棄の依頼を受け、当事務所で相続放棄に必要となる戸籍を収集するところから作業に入りました。
母の相続放棄
御年92歳のF様のお母様は、F様宅の近くにある介護付き有料老人ホームに入居されているということでしたので、後日、その老人ホームにお母様の本人確認のために伺いました。
お母様は車イスに乗った状態で、F様とともに食堂で待っておられました。耳が遠いということで、私が話している内容を、F様に耳元でささやいてもらいました。お母様は相続放棄の意味を理解されているようで、か細い声ながら「よろしくお願いします」と話されました。
当事務所ですでに戸籍を収集し終えていたので、お母様が北陸地方の出身であることがわかっていました。私がその地方についての話をすると、お母様は最初不思議そうな顔をされていましたが、徐々に笑顔になられ、私の帰り際にはあらためて「お願いします」と話されていました。
お母様の相続放棄の意思を確認できたので、相続放棄申述書を管轄の東京家庭裁判所に郵送しました。
姉の相続放棄
郵送後1か月ほど経ち、お母様の相続放棄申述受理通知書が送られてきました。
この時点で、F様が相続人になりました(下記に書きますが、実はF様が相続人になることはまだ確定していません)ので、すかさず、お母様の場合と同様に、F様の相続放棄申述書を東京家庭裁判所に郵送しました。
戸籍不足の連絡
その後、東京家庭裁判所から戸籍が足りないと連絡がありました。提出した戸籍だけでは、お母様のお母様(F様のお祖母様)が死亡しているかどうかわからないという連絡です。
どういうことかというと、仮にF様のお祖母様が生きておられる場合、お母様が相続放棄しても、F様が相続人になることはなく、お祖母様が相続人になるということです。
116歳のおばあちゃん?
家庭裁判所に提出した戸籍をスキャンしておいたので、戸籍の中身をあらためて確認すると、お祖母様は明治38年生まれで、確かに提出した戸籍の中にお祖母様が死亡した旨の記載がありませんでした。
明治38年生まれの方が現在生きておられると116歳になり、F様のお祖母様も生きている可能性があるということです…。
「そんな高齢で生きておられたら超有名人で、F様だって知っているだろうに…」というツッコミは胸に秘め(笑)、戸籍をさかのぼり、お祖母様が死亡した旨の記載のある戸籍を取得しました(ちなみにお祖母様は、昭和55年に亡くなれらていました)。
相続放棄の終了
新たに取得した戸籍を家庭裁判所に郵送し、その後F様宛てに相続放棄申述受理通知書が送られることで、ご依頼の相続放棄の手続きが全て終了しました。
F様は母方の親族関係のことを今までほとんど知らなかったそうで、当初の予定よりも戸籍取得通数が増えてしまいましたが、「会った記憶のない祖母のことまで知れて良かったです」と、F様は喜んでおられました。
相続放棄の無料相談
当事務所では、相続放棄を含む相続手続や相続対策、各種登記についての無料相談を随時実施しています。
また、F様のご自宅やお母様の老人ホームに伺ったように、無料での出張相談も行っています。特に相続放棄の場合には、原則3か月以内と期限があり緊急性がある場合も多いので、ぜひ遠慮なく当事務所の無料出張相談をご利用ください。無料出張相談の理由 >
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